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2016年2月15日 (月)

建築家の本懐って

Dsc_0052

建築って思想であるとは
よく言われることです。
日本で建築家は工学部的な
素質を求められますが
欧州では哲学家に連なるとか。

それもきっと事実だろうと
とても感心して
感激するのが
いま青山の「ワタリウム美術館」で
開催されている
リナ・ボ・バルディの展覧会です。

とにかくこだわりの展覧会で
床の色は
イタリアで生まれ
のちにブラジルに渡って
すぐれた建築を多く遺した
ボ・バルディへのレスペクトとして
ブラジルの土を混ぜた
赤い色。

リナ・ボ・バルディ(1914年-92年)は、
当初
建築誌「ドムス」の創刊編集長だった
ジオ・ポンティに師事。
1946年にブラジルに渡り
同地で建築家として活躍するようになりました。

いいのは
「多民族で複雑な社会階層が混在する
この国で
民衆たちの真に開かれた場所を
作りたいと強く願い
戦い続けました」(ワタリウム美術館)ということ。

当時の市長が
ダンスホールにしようとしていた空間を
誰でもやってこられる美術館にしたりしました
(そこでは作品をみないで
ただのんびり過ごせる空間がある)

最高なのは
「道ばたの椅子」(1967年)。
道の端にいくらでも落ちているような
木の太い枝で構成された椅子です。
ブラジルを愛して
特有の赤い土(=民衆)を
好んで建物のファサードに用いた
ボ・バルディの真骨頂かもしれません。

会場構成は
SANAAの
妹島和世氏の監修
周防貴之氏のデザインによるもの。
加えて
館長の和多利恵津子さんの
ボ・バルディへの愛と尊敬が
あふれているように感じられる
とてもいい展覧会で
僕など心が洗われる思いがしました。

オリンピックのスタジアムを
多額の税金で
建てるのが建築家の本当の仕事ではないと
つくづく思い知らされる展覧会です。
2016年3月27日まで。


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