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2009年5月 2日 (土)

とどめをさす椅子

椅子ブームというのがあったが
いまは沈静化?
でもいい椅子って
ブームと関係なく魅力的だ。
僕がずっと使っているのは
デンマークのハンス・ウェグナーが
デザインした
カールハンセン&サン社の
Yチェア。
これを昨日まで出ていた週刊朝日で取材した。
連休なので新しい号は今日発売だ(ふー)。

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カールハンセン&サンで7万7700円

なにしろ座り心地がいい。
座面がペーパーコードといって
紙をよったこよりのようなものを
ハンモック状にわたしてある。
これが微妙なクッション感をつくっている。
家のはブラックのラッカー塗装なのだが
ここで紹介しているのは
ソープフィニッシュといって
特別なソープで
漂白したような色合いに仕上げたもの。
汚れたら自分で洗うのだという。
そんなところがおもしろい。

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輸出がさかんだった
デンマークで
梱包用の紐から発想したという
ペーパーコードは3本をよって作る。
猫のいる過程は要注視。
それに木材に知悉していたことがわかるのが
うまくテーパーをつけて
美と強度の両立をはかったり
1枚を割って
さらにねじってテンションをかけながら
ひじかけでそれを留めるといった工夫など。

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きれいなカーブも
じつはパーツ点数を減らしてコスト減のためだったとか。
ひとりのデザイナーが最後まで
考えるから
まとまったデザインとして完成するのだという
いい見本。

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傑作としてもうこれしかないと
とどめをさすような椅子だ。
あと、ウェグナーが認知された背景に
アメリカでの人気がある。
1960年ケネディがニクソンに勝利したとき
テレビ討論での
ビジュアル効果をスーツの色とか
いろいろ利用したのは有名な話しだが
椅子はウェグナーのものだったそうだ。
「ニクソンが重厚なデザインを選択したのに対して
ケネディは軽やかなウェグナーの椅子で
若さをアピールしたのも
有権者の好感度につながったのです」と
僕は広報担当のひとから説明を受けた。
でもあとで週刊朝日編集部の
優秀な担当ウサミさんが確認してくれたところ
「ふたりともウェグナーでした!」とのことだった。
なので最初はいいエピソードだと思ったのだけれど
記事にはならなかった。
でもさもありなんと思わせる。
椅子ってそのぐらい
大きな存在感があるのだ。


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